課題曲演奏のためのガイド

■独奏部門〔必ずコンクール標準名のS(ソプラノ)で演奏すること〕

 

一般の部 練習曲第1番(小林達夫 作曲)

 

2015年(第2 回コンクール)の時には5から7までの15小節間がカットされていましたが、今回はその区間も復元しました。また、目安のテンポを少し速めています。2015年当時には、もしも四分音符= 104の指定であれば少し無理があったように思いますが、近年参加者の方々の技術の向上は目覚ましいように思います(ただし指定テンポはあくまでも目安です)。

 アーティキュレーション記号はわざと記入していません。どのようにアーティキュレーション付けをされるかは大きな採点ポイントとなります。

 

ただし次のことはあまり望ましくありません。

 

1)大多数の音がスタッカートで演奏されること。

2)上とは逆に大多数の音がタンギングをしないスラーで演奏されること。

3)大多数の音がtktk やdgdg などのいわゆるダブルタンギングで演奏されること。 (望ましいのは、t , d , r の「コンビネーション=組み合わせ」によるタンギングです)

 

4)4個連続の16分音符が頭スタッカート、後ろ3つスラーというワンパターンの連続で演奏されること。

5)ブレス位置を確保するために多量のフェルマータやテンポのゆすりを加えること。必要最小限にとどめてください。

6)無表情に演奏されること。

 

オカリナは標準の運指以外にも替え指がたくさん考えられます。3度の跳躍をうまく替え指でこなせれば、指の苦労はそこそこ低減するのでは思います。

 

 例1:ドミソミの繰り返し ド→ ミを右2 指 ミ→ ソを左3 指 

 例2:ラドミドの繰り返し ラを左12345 指 ドを左135 指 ミを左5 指

  (使用楽器により音程のクセは異なりますので、万人向けというわけではありません)

 

暗譜演奏を推奨します。

 

■独奏部門〔必ずコンクール標準名のS(ソプラノ)で演奏すること〕

 

シニアの部 ジ・エンタテイナー(S.ジョプリン 原曲 小林達夫 編集)

 

映画「スティング」で有名になった曲です。テンポ指定は目安ととらえてください。16 分音符にスウィングをかけるかどうかは難しいところですが、ジョプリン時代のレコーディング(ただしピアノロール録音です)を聞きますと、いわゆる私たちが考えるようなスウィング処理はされていないようです。

 

 

CD はSCOTT JOPLIN “The ENTERTAINER” Classic Ragtime From Rare Piano Rolls(Apple Music でジョプリンを検索するとヒットしますので、試聴可能です) の冒頭3曲がジョプリン自身の演奏とのことです。残念ながらジ・エンタテイナーは4曲目ですので別人の演奏ですが、いずれもわずかなスウィング処理ですね。

聞き所は2つ目の音の処理です。「ヒコーキ」ではなく「ロケット」になっていることに留意してください。

 

課題曲としていますので当然ながら無伴奏ですが、できればあたかもピアノのベースと後打ちの和音が聞こえてくるような演奏であって欲しいです。

 

暗譜演奏を推奨します。

 

■合奏部門 ドイツ・ミサ曲より「聖なるかな」

(F.シューベルト作曲 小林達夫 編集)

 

ドイツ・ミサ曲という名前が定着していますが、本来は典礼で歌われることを想定した9曲の賛美歌集です。これはその中の第5曲。5. Zum Sanctus Sehr langsam という原題の後半Sehr langsam は「非常にゆっくりと」という速度の指示になっています。とはいうものの「パイプオルガンに支えられた合唱」という本来の編成ではなく私たちはうんと小振りの編成で演奏しますので、それなりに響きの充実する速度を模索してください。グループの楽器編成に一番うまくフィットする版どれかを選択してください。(申込書に記入してください)

 

どの版でも実音記譜ですので、各パートの音程関係が一目瞭然です。ユニゾン、5度、4度、3度などの関係を楽譜から発見し、ハーモニーが物語のように進んでいく感覚をうまく音にしてください。

 

アンサンブルでは音量や音色による個別の表情よりも、この「ハーモニーの進行」による物語の表現の方が重要です。そしてそれをより行いやすくするために、楽譜を実音記譜としています。

 

音程合わせはとても大事ですが、互いの音程を合わせるというよりはそれぞれが基準に対して正しくなることを目標にするほうがよいと思います。

 

暗譜演奏を推奨します。

 

 

オカリナ奏者2人の時= 課題曲 SA版

 

オカリナ奏者3人の時= 課題曲 SAT版

または SAA版

または SSA版

 

オカリナ奏者4人以上の時= 課題曲 SATB版

または SSAT版