コンクール審査会を終えて
ここ数日で急に寒くなり、紅葉があちらこちらで見頃を迎えています。
12月5日、伊丹アイフォニックホールにおいて第12回日本オカリナコンクールの審査会を行いました。
全国からの参加に加えてこの度はイタリアからの参加もありました。
回を重ねるごとにオカリナの可能性の広がりや奥深さを実感しています。これもひとえに出場者の皆さまの熱演あってのことです。
また、遠方からこの審査のために来阪してくださいました先生方も熱心に審査してくださいました。心よりお礼申し上げます。
このコンクールを開催するにあたり、各団体様や企業様にはいろいろなかたちで応援してくださいましたことにも感謝しております。
ありがとうございました。
日本オカリナコンクール実行委員会
委員長 小林理子
審査員のコメント
エミリアーノ・ベルナゴッツィ
皆さん、こんにちは。今年もこの素晴らしいコンテストが幕を閉じました。毎年、素晴らしい驚きと感動に満ちたイベントです。
この取り組みに協力できることは、いつも大きな喜びです。新しい音楽家や才能ある人々を知り、新しい出会いを生む機会を与えてくれるからです。特に独奏部門では常に非常に高いレベルが維持されており、他の部門でも、その音楽で私の心をいつも感動させてくれる音楽家たちを鑑賞し、聴く機会を得ています。
こうした理由から、コンクールの参加者、そして主催者の皆様に心から感謝申し上げます。皆様は、このプロジェクトを継続することで、オカリナの世界をますます盛り上げ、刺激を与えてくださっています。本当にありがとうございます。
エミリアーノ・ベルナゴッツィ
エミリアーノ審査員 個評からの印象的な言葉 部分抜粋(選者:小林達夫)
音楽性と正確さを兼ね備えた見事な演奏です。/ ほんの少しのミスは演奏の質を損なうものではないね。/ 息の出し方や呼吸の問題があり、それが音程や演奏に大きく影響しています。/ 過剰なビブラートにより音程が少し奇妙に感じられることがあります。
小林 達夫
コンクールの発足以来ずっと審査員を務めさせていただいております。加えて近年は自由曲の著作権コントロールのお手伝いもしております。今年もほとんどの参加者が音楽著作権について理解され、必要な手続きを済ませてのエントリーをしていただきました。ありがとうございます。その反面すこし残念に思うことは、「課題曲の演奏にあたって」のガイドが反映されていない演奏や、前回審査を終えての「各審査員のコメント」や「動画収録に当たってのアドヴァイス」などが考慮されていないなどの、ちょっと「不注意?」とも思われる演奏がいくつもあったことです。ぜひ各種の情報を整理して活用し、エントリーなさってください。暗譜演奏が増えていることはとてもうれしくまた、いずれも美しい演奏でした。
演奏面ではやはり「フルートぶき」(吹き)で止まっている演奏が多いことは残念です。ぜひオカリナたちの「言い分」を聞いてやってください。(昨年のコメントも参照なさってください)演奏の技術のみではなく、音楽スタイルへの理解や、表現するためのいろいろなことなど、課題は山のようにあります。お勧めとしてはぜひこまめにご自身の演奏を録音して改善点を探ってみられることです。決して快適な作業ではありませんが、それをなさらない限り、コンクールでの栄冠はないと考えます。
小林審査員 個評からの印象的な言葉 部分抜粋
とても良いバランスで演奏されていると思います。/ 3 拍子は123 よりも312 と考えると音楽の流れが良くなります。/ 吹き終わりで音程が下がっています。/ 制御できていないポルタメントは指の不正確さの現れです。/ タンギングのないスラー処理が多いのですが違和感が強いです。
嶋 和彦
今回は、参加者が少なかったことは残念ですが、海外からの参加者があったのはうれしかったです。全体的には、細かな音符の演奏はどうしてもテクニックが必要になり、音楽的な面がないがしろになってしまいます。
演奏者は、テクニックにのみ流されないように注意してください。音符が細かくなっても、大きな音楽の流れを見失わないようにしてください。
嶋審査員 個評からの印象的な言葉 部分抜粋(選者:小林達夫)
無理のない自然な音量と音色は素晴らしいと思います。/ 有名な曲ですから、原曲のイメージを大切にしないといけないでしょう。/ のびのびと演奏していますが、音程が気になります。/ 少し慎重すぎて、音楽の推進力に欠けました。
田島 篤
どなたの演奏も丁寧に真摯に音楽に向き合ってくださっていると感じ入りました。私たちも皆さんの姿勢に失礼にならないよう、真剣に審査に臨みました。
評価は多分に主観的でありますし、音楽は点数で評価できるものでもないと思いますが、「コンクール」という性質上、断腸の思いで評価いたしました。皆さんのチャレンジがこのオカリナ界を盛り上げてくれると思います。
どなたの演奏も心に語りかける素晴らしい演奏であったことは間違いありませんが、講評を参考にしていただき、高みを目指して、更に進化した演奏をぜひともお聴かせください! その日を楽しみにしております。
田島審査員 個評からの印象的な言葉 部分抜粋(選者:小林達夫)
基礎がしっかりしていて、安心して聴かせていただきました。/ 楽曲の持つ意図を組み込んでしっかり表現できたと思います。/ さらなる表現の広がりのために、ブレスのコントロールを追求されると良いと思います。
橋詰 智章
独奏部門での課題曲の暗譜がほぼ浸透しました。自信を持って音楽を演奏される姿がやはり好印象です。
一般の部は、課題曲、自由曲ともに好演が多くて採点が難しかったです。特に課題曲では粒揃いの好演が多かったですが、個人的には主に、正しい音程、柔軟なアーティキュレーションとアゴーギグで生じる、音楽の高揚感や色鮮やかさが評価の対象となりました。今回も心を鬼にして採点しました。
シニアの部では、とても気持ちよく演奏されている姿も好印象でしたが、毎回受賞されている方々の演奏には素晴らしい共通点がありますので、よくお聴きになってください。(自分が)「楽しい」「満足」は大切ではありますが、それだけでは受賞できるまでの演奏にはなりません。
合奏部門では、出場グループが 2組と少なかったのが寂しいです。これからグループとしてのアンサンブル経験をもっとたくさん積んでいただいて、柔軟なバランス感覚(人間関係も含めて)を養ってもらいたいと感じました。うまくいってない部分がまだまだ多いと感じています。
橋詰審査員 個評からの印象的な言葉 部分抜粋(選者:小林達夫)
自然な音楽作りと流れの良い丁寧な演奏で好演でした。/ 高音部の鳴らし方(角度)を工夫しましょう。/ ピアノの音量が大きくて、オカリナの低音域が少し聴こえにくいです。/ 跳躍音程(分散和音)での和声感覚をもう少し感じたいと思いました。
